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2010年7月9日金曜日

『ビジネスの成功はデザインだ』(神田昌典氏との共著)発売されました


この本が出るきっかけは、昨秋、神田昌典さんと行ったセミナーでした。
 当時私は、野宮真貴リサイタルvol.3をプロデュースしておりまして、その折に、「企業の人たちに、野宮真貴リサイタルが代表する<極めて女性的でおしゃれなステージ文化とその周辺マーケット>」について、観てそして学んでいただく機会をつくろう、と、まあ、大人の舞台芸術鑑賞会を企画した折の、講演部分を軸に、その時の対談形式ではなく、神田さんと私とで別々の筆致で、二部書き下ろしの共著として本にしたものです。
 今までに多くのプロのデザイナーたちが自らと、また、デザイン環境についてたくさんの素晴らしい本を書いています。プロのデザイナーではない、私と神田さんがこの本を書いた理由は、ふたつあります。ひとつは経営コンサルタントとして多くの優れた実績を残している神田さんをして、「このインターネット&見た目社会に、中小企業が発展していく、チャンスをつかんでいくのに、デザイン、ということを知り、使うことこそが必須である」ということを伝えたかった。もう一つは、これは私の実感ですが「ネットやハードの進歩で一億総クリエイターになりつつある時代に、今までプロの専門領域だったデザインリテラシーがメーカー側の必須教養になっていくだろう、という点。
 いくつかの日本企業が、社内コミュニケーションを英語にする、と発表して話題になりましたが、彼らがそれをする目的は、海外への市場拡大にほかなりません。とすると、やはりグルーバルなビジュアル・コミュニケーションの強力ツールであるデザインを知見として体得する、ということは、企業人にとってそれ相応の必須教養であることは間違いないでしょう。
 私のパートでは、いくつかの成功例が示したマーケットと、そのデザインがなぜ、消費者の欲望を刺激しえたのか、というコミュニケーションの実態を時代背景なども交えて綴っています。
 バブルの好景気時代、デザインは「よくわからないけど、カッコいい」ことの象徴でした。当時のサラリーマンは、背伸びをしてそういったトンがったデザインの空間やモノに触れようとしたものです。しかしそれは、バブル崩壊後の不況時代にまるでスケープゴートのように扱われ、「カッコ良いものは、売れない。ベタで行こうよ」という、デザインに対するクールな態度がもてはやされ、そして、現在は、もっと本質的な攻めと売り、もしくは「相手に弱みを見せないための自衛の武器」というような、コミュニケーションの総力戦のツールとして、デザインが立ち現れている、ことをあらためて自覚する必要があります。  (時代の併走者として、アートというものも強力にクローズアップ、されていますしね)
また、インターネット時代、個人で仕事をしている人間は皆、「ひとり上場」といえる構えとブランディングを装備しようとしています。デザインはもちろんのこと、その部分にも大きな役割を果たしています。
たとえば、ローリングストーンズはあの唇と舌のマークをシンボライズしたが故に、イメージが強固になった、チェ・ゲバラが革命の何たるかを全く知らない若者のTシャツに今でもプリントされているのは、かれのあの特徴的な髭とベレーのデザインスタイルだからです。デザインを読むためには、実はカルチャーや文化史的な教養も必須になってくるのですが、「役に立たない小説や映画は、時間を使う価値がない」と言い切る、最近のビジネス書周辺の費用対効果主義者(ホント、多いらしい)たちに、そのことの脆弱さも警鐘したかった。
この手の筆致は、『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)以降、初めてかもしれませんね。
私のキャリアには、雑誌編集という部分がかなり長い期間にわたったあります。思い起こせば80年代の「ぴあ」という、当時としては先端出版社で、全く経験がないまま最初からビジュアル別冊編集長!  という立場(こういうチャンスが20代中盤で来るのが、バブル期のいいところでした)で、諸先輩たるデザイナー諸氏たちと格闘しながら、デザイン言語たるものを身につけていったこと、また、90年代にカルチャー雑誌のSWITCHで、写真という強力なビジュアル装置、マガジンデザインというものと格闘したことなどの、まあ、集大成になったと思います。
http://magazineworld.jp/books/2118/
http://www.amazon.co.jp/ビジネスの成功はデザインだ-神田-昌典/dp/4838721188
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2010年7月1日木曜日

ノルウェーのシャーマニズムのジャズ窯変SKAIDI(スカイディ)に圧倒されてしまった





明日7月1日19時〜の「美人寿司の夜 〜世界音楽篇ノルウェイ」にてコラボする、ノルウェーの男女ユニット<SKAIDI>のライブに行ってきました。

私、生演奏を聴いたのがこれが初めてで、
あえて、言わせていただきますが、

彼らの音楽は絶対に体験した方がいい!!

音楽の質で言ったら、彼らは本当にフジロックでも、ライジングサンでも、メタモルフォーゼでも、大勢の観客を音楽の力で圧倒させることができるほどの実力者なのですが、このご時世、かつてのようにCD発売を見込んだプロモーション費で招聘ライブ、というような図式が通用しなくなった今、今回のような「知る人ぞ知る」来日になってしまうことは避けられない現実なんですね。

さて、このユニットを一言で言えば、北極圏に住む少数派民族"サーメ人"の伝統音楽「ヨイク」のボーカルと、ノルウェーの最先端を行くジャズ・ベイシストの異色デュオということになります。「ヨイク」は彼らの精霊信仰におけるシャーマニズムとも深い関係があって、「こぶし」を多用する唱法は、演歌や民謡でもって私たち日本人には大変に近しいもの。ユーラシア大陸の一部に見られる、ホーメイというダブルトーンボイスも用いられます。

 すべての民族音楽の響きは、それだけでも必ず、人の心の何かに訴える何か、無意識領域に及ぼす力があるのですが、このSKAIDIはそのベースアレンジとも相まって、たとえば、この東京のオフィスビル街で聞いたならば、コンクリートで覆われた地面から、わらわらと地霊が召還されるような、爆発力を秘めているんですね。それはそれは、美しくて、破壊力のある爆弾です。

 もちろん、彼らの音はFace bookやアルバムで知ってはいましたが、まさかこれほど凄い音楽性の持ち主とは!   

  驚愕しつつ、こんな凄いミュージシャンとお手合わせする、我らが美人寿司はどうなのか?   との恐怖が一瞬心をよぎりましたが、今回は私はディレクターに退き、謎の寿司職人(某有名シェフ)を三顧の礼を持って招き入れ、ノルウェーから招聘した鮭の野郎、二匹とともに、胸を借りる覚悟で臨む次第。

 実は、本物を見る前に、私の心にひとつ疑念が会ったのは事実。

 その疑念とは、ワールドミュージック系が往々にして落ちる罠である、「西洋楽器使いがエスニック奏者の猛獣使いに見える」という点。もちろん、前者Aが本当に後者Bの音楽性に感動したからこそのセッションであろうことはよーくわかっているのですが、その真摯な気持ちとは裏腹に、結局、AはBを前にして自分の持っている案外と狭い音楽のルールや構えを全く変えずに演奏するものだから、結果、「器は我々、西洋音楽の構造とコード進行をご用意しましたら、その上で自由にやってくださいな」的な、まあ、言ってみれば、単なる安直なお手合わせ、で終わる場合が、今までの経験上、大変に多いのです。たとえば、「ブエナ・ヴィスタ・ソシアルクラブ」ね。あのドキュメンタリーがなし得た偉業はみとめつつ、ライ・クーダは、彼らと一緒に音楽を演奏しなくたっていいじゃないか(まして、息子がドラムで)ですとかね。こちらはまだいいとして、ヨーヨー・マが嬉々として行っているシルクロード・アンサンブルの残念な結果(元々の楽器が持っている、独特のタイム感や音程がアンサンブルとして漂白されてしまっていてびくりとも面白くない)などを見るにつけ、暗澹たる気持ちに成ることが多いのですが、SKIDIにはその残滓さえ無い!

 スカンジナビアの第一線級のヨイク歌手、インガ・ユーソを発見し、惚れ込んで、自らの西洋楽器ウッドベースを見事にヨイクの側に"融解"しえた、ベースのスタイナー・ラクネスには、明日のインタビューでその辺をとことん聞いてみたいものです。ちなみに彼のベースアプローチは、ジョ二・ミッチェルと組んだ時のジャコ・パストリアス、ということは、チャールス・ミンガス似でもある。
 ちなみに、ライブ共々その模様は、Ustいたします。

それとですね。
後半は、SKIDIと例の「不協和協和音寿司の会」のメンバーの権藤知彦(ユーフォニアム)
田中邦和(ベース)、一ノ瀬響(キーボード)の面々がセッション乱入。SKIDIワールドに、この
業界の手だれたちがどのように遊んでくれるかが、本当に楽しみでもあります。

 これ、一日前の深夜のブログになってしまいましたが、自分のイベントとはいえ、相手の音楽があまりに素晴らしいので、音楽好きのひとりとしてあえて、宣伝させていただいた次第。

ご興味がある方は、ぜひに青山の<月見ル君思フ>に、お運びいただければ幸いです。

http://www.moonromantic.com/?p=2555

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